2023.10.11 Wednesday
2007.11.24 Saturday
化け猫あんずちゃん
今は廃刊になってしまった「コミックボンボン」に連載されていた
いましろたかしさんの新作。
お坊さんに拾われてきた猫、あんずちゃんが、
32年も生きてしまって化け猫になってしまう。
人間と会話もできてしまう化け猫の日常生活が、描かれているのだ。
このあんずちゃん、ハッキリ言ってただのおっさん。
酒も飲むし、屁はよく出るし、立ちションするし。
この不思議な設定で、飽きさせずに読ませるのが
素晴らしい。
僕が好きなのは、ひょんなことで入った山で
かえるの妖怪に出会い、その晩、こっそり自宅へ誘う話。
あんずちゃんが、自分以外の妖怪にあうのは初めてだった。
急だったのにも関わらず、コンビニでお菓子やビールを買って
みんなをもてなすあんずちゃん。
しかし、折角自宅へ遊びに来ても、かえるの妖怪や
ついでに一緒にやってきた妖怪たちは
ゲームしたり、マンガを読んだり、中には寝はじめるヤツもいて、
まったく会話は盛り上がらない。
静かなる夜の宴が続いていく・・・。
朝になって、妖怪たちが山に帰っていくと
「アイツら、つまんねーから、もう誘わねぇ」と
あんずちゃんは部屋で一人、グチるのだった・・・。
ゴメン。面白さ、伝わったかなぁ?
2007.11.01 Thursday
「蟹工船 (まんがで読破)」を買うの巻
タイトルは「蟹工船 (まんがで読破)」。
またしても、「蟹工船」(小林多喜二・原作)のマンガだ。
以前、私のブログで感想を記した
「30分で読める…大学生のための マンガ蟹工船」(東銀座出版社)も
3刷に入ったと聞いた。
最近の格差社会や労働問題に関する報道で、需要があるのだろう。
とにかく、今読まれるべく物語になった「蟹工船」が
手に入れやすく、読みやすいフォーマットとして
再構成されていることに感動を覚える。
絵柄は少年誌的(ジャンプっぽい?)な感じ。
現場監督の浅川は、がっちりと「悪役面」なので
読みはじめには、「ベタで、あんまりだなぁ〜」と思ったが
読み進めると、そんなに違和感はなくなった。不思議なもんだ。
そういう点では、東銀座出版社版よりも
若い人たちにとっては物語に入りやすいかもしれない。
結論としては、入り口は、どんなものでもいい。
現代の日本で「蟹工船」に触れることは
若い人(特に中高生!)には大変重要だということ。
今の視点からみると、「蟹工船」という舞台は馴染みがないが、
これが「工場」や「会社」になっただけ。
帝國海軍こそ存在しないが、権力に「殺される」ことはある。
おこづかいで買えなくても
マンガ喫茶で・・・
学校の図書館で・・・
このマンガに出会ってほしい。
そんな一冊だ。
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